世界遺産:三角西港(宇城市)

三角西港は、1887年(明治20年)に明治政府の殖産興業の政策に基づいて、オランダ人水理工師であるローエンホルスト・ムルドルの設計により築港されました。

三角西港全景

穏やかな入り江に造られた三角西港。「天然の良港」と評された。

756メートルにもおよぶ石積みの埠頭や水路、建造物などは築港後1世紀の歴史を持ちながら今なお厳然としてたたずまいを見せており、築港当時の姿が完璧に現存している唯一の港として国の重要文化財に指定されています。ムンドルが築港に着手した当時の宇土半島は途中を険しい山に阻まれ、熊本との往来も容易なことではありませんでした。そこで港湾工事と並行して、予算の約半分をかけた道路整備を行う事により3年という期間で近代的な港湾都市を造りあげました。良港を持たなかった熊本県にとって三角西港の築港は県民の悲願というべきものでした。

石積みの堤防

ノミで丹念に削られ丸みを帯びた石積みは、当時の技術の高さとともに美しさを感じることができる。

埠頭は、対岸の飛岳から切り出した安山岩を切石し、緻密で高度な石積みで形成されており、背後の山からの水を流すため山麓に沿って排水路を設け、直接海に排水するために町を縦断する2箇所の排水路を設けています。総延長756mに及ぶ石積埠頭、3つの浮桟橋、整然とした道路、排水路、石橋などは当時の最先端の都市計画の下で築かれたことを示しています。三角西港は完成後、宇土・天草地方の行政、経済の中心として栄えましたが、1899年(明治32年)年九州鉄道が現在の三角東港まで開通したことにより、主要港としての役割を東港に譲りました。

浦島屋

明治時代の三角の旅館。明治26年7月22日、文豪、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が長崎の帰途立ち寄り「夏の日の夢」と題する紀行文の舞台としました。明治38年に解体され、大連に運ばれ姿を消していましたが、平成5年、当時の写真をもとに復元されました。

龍驤館(りゅうじょうかん)

国の登録有形文化財。1918年(大正7)、明治天皇の即位50周年を記念して当時の宇土郡教育会が頌徳記念館として建てたもの。

アクセス
【自動車ご利用の場合】
九州自動車道松橋ICからで約50分、熊本市内から国道57号線を西へ約60分
【JRご利用の場合】
三角駅よりバスで:約15分(産交観光バス三角営業所(TEL0964-52-3135)で乗車 「三角西港前」で降車)
お問い合わせ
宇城市観光物産協会 TEL:0964-32-0020
ホームページへ → http://www.kankou-uki.jp/

世界遺産とは?

正式には「世界遺産条約」といい、文化遺産や自然遺産を人類全体のための遺産として損傷、破壊などの脅威から保護し、保存していくために、国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とした条約です。1972年のユネスコ総会で採択され、1975年に発効しました。2015年7月現在の締約国は191か国にのぼります。日本はこの条約を1992年に締結しています。「世界遺産」とは、世界遺産条約に基づいて作成される「世界遺産一覧表」に記載されている物件のことで、建造物や遺跡などの「文化遺産」、自然地域などの「自然遺産」、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた「複合遺産」の3種類があります。2015年7月現在では1031件(文化遺産802件、自然遺産197件、複合遺産32件)の世界遺産が登録されており、このうち19件(文化遺産15件、自然遺産4件)が登録されています。

宇城エリアおすすめの味

デコポン

「デコポン」は、宇城エリアを代表するブランド柑橘。品種名を「不知火」といい、「ポンカン」と「清見」の交配で生まれました。光センサーでチェックされ糖度とクエン酸の基準をクリアしたものだけが「デコポン」と名付けられます。

鯛茶漬け

胡麻が入った醤油ベースの特製ダレで味付けされた新鮮な天然鯛がたっぷり。大葉や海苔、ワサビを乗せお茶をかけて召し上がれ。

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